白バイ訓練中の事故から10年、佐藤和人選手は今、パリの舞台で新たな夢に挑む。彼の力強い挑戦の裏には、逆境を乗り越えた強い意志がある。
白バイ訓練事故からの再出発
佐藤和人選手(44)は兵庫県警の巡査長であり、白バイ隊員になるための訓練中に起きた転倒事故で脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされました。2013年7月のその事故は、彼にとって大きな試練でした。長いリハビリ期間を経て、2015年に復職しましたが、以前のように活躍することが難しいことに葛藤しました。運転免許課への異動を希望した佐藤選手は、限界を超える新たな挑戦を見つけたのです。それが、パラ・パワーリフティングでした。
パラ・パワーリフティングとの出会い
佐藤選手がパラ・パワーリフティングと出会ったのは、2016年の選手発掘プログラムへの参加がきっかけでした。それまで、この競技の存在すら知らなかった彼は、下半身に障害があっても強さを追求できることに魅了されました。競技を始めるとすぐにその才能を発揮し、全日本選手権で3連覇、アジアパラ競技大会で6位、ワールドカップで9位という輝かしい成績を収めました。佐藤選手は「下半身が不自由でも可能性を感じた」と語り、その言葉通り、自らの限界に挑み続けています。
パリパラリンピックへの意気込み
今回、佐藤選手はパリパラリンピックへの出場権を得ました。推薦枠での出場とはいえ、その背景には彼の努力と実績がありました。彼の目標は自己ベストの190キロ以上の記録更新と、4年後のロサンゼルス大会へのステップアップです。8月中旬の壮行会では、県警本部長から激励の言葉を受け、佐藤選手は「悔いのないよう、全力を尽くしたい」と決意を新たにしました。今大会では、彼自身のためだけでなく、多くの期待を背負いながら、最高のパフォーマンスを見せることでしょう。
- 佐藤和人選手、白バイ訓練中の事故で車いす生活に。
- パラ・パワーリフティングに挑戦し、数々の大会で好成績。
- パリパラリンピックに推薦枠で出場、自己ベスト更新を目指す。
【補足情報】:
- 佐藤和人: 兵庫県警の巡査長。白バイ訓練中の事故で脊髄を損傷し、パラ・パワーリフティングに挑戦。
- パラ・パワーリフティング: 下半身の障害がある選手がベンチプレスで競うパラリンピック種目。
- パリパラリンピック: 2024年に開催される国際パラリンピック大会。
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