世界的なポーカープロ、ダニエル・ネグラヌが、かつてのハイローラー界のスター、アリ・イムシロビッチを再び強く批判した。オンラインポーカーの不正行為に関する疑惑が尽きない中、ネグラヌは「彼を全てのポーカーサイトから追放すべきだ」と訴えている。この問題の背景と、ポーカー界で何が起きているのかを深掘りする。
アリ・イムシロビッチ、ポーカー界からの追放危機
アリ・イムシロビッチは、かつて高額賞金を獲得し続けた若き天才プレイヤーとして注目を浴びた。しかし、2022年にはオンラインポーカーでの不正行為が疑われ、主要なポーカーサイトやライブトーナメントから次々と排除される事態となった。2021年のGPI(グローバル・ポーカー・インデックス)年間最優秀プレイヤーに輝いた彼だが、その後、不正疑惑が浮上し、GGポーカーやPokerGOツアーから追放された。
ダニエル・ネグラヌは、最近のツイートで「イムシロビッチは反省の色が全くなく、今もなお他のプレイヤーを欺いている」と指摘。さらに、「すべてのポーカーサイトとカードルームは彼を永久追放すべきだ」と強く主張した。ネグラヌの発言は、多くのプロプレイヤーやポーカーコミュニティで波紋を広げており、ポーカーブラックリストの導入を求める声が再び高まっている。
不正行為の実態とは?RTAツールとマルチアカウントの問題
イムシロビッチにかけられている主な疑惑は、リアルタイムアシスタンス(RTA)ツールの使用とマルチアカウントの運用だ。RTAとは、プレイヤーがリアルタイムで最適なプレイを知ることができるツールで、これを使用すると、初心者であってもトッププレイヤーに匹敵する判断が可能になる。このツールは多くのポーカーサイトで禁止されており、GGポーカーやPokerStarsは特に厳しく取り締まっている。
また、イムシロビッチは複数のアカウントを使用し、トーナメントで他のプレイヤーと共謀していたとされる。彼のようなハイローラープレイヤーがこうした手法を使うことで、公正なゲームのバランスが崩れ、多くの一般プレイヤーが不利益を被ることになる。
この問題に対し、GGポーカーの「ポーカー・インテグリティ・カウンシル(PIC)」は2023年に設立され、オンラインポーカーの不正行為に対する監視を強化している。しかし、一部の未規制サイトでは依然として不正行為が横行しており、イムシロビッチがそうしたプラットフォームで活動を続けているとの情報もある。
ポーカー界の対応と今後の展開
ネグラヌの発言に対し、他のプロプレイヤーも賛同の意を示している。2022年に最初にイムシロビッチの不正を公に指摘したアレックス・フォクセンは「ポーカー業界にはブラックリストが必要だ」と再び主張。さらに、マット・バーキーやマイク・マトゥソウなどのトッププレイヤーも、オンラインポーカーサイトの管理体制の強化を求めている。
一方で、アメリカズ・カードルーム(ACR)などの未規制サイトでは、いまだにイムシロビッチのようなプレイヤーが活動しているとの情報があり、完全な排除には時間がかかりそうだ。ポーカーサイトのセキュリティ強化、KYC(顧客確認)プロセスの厳格化、AIによるRTA検出技術の導入などが求められる中、ポーカー業界はどのような対策を講じるのか。
- アリ・イムシロビッチがオンラインポーカーでの不正行為を続けているとの疑惑が再燃
- ダニエル・ネグラヌが「全ポーカーサイトからの追放」を要求
- リアルタイムアシスタンス(RTA)ツールやマルチアカウントの使用が問題視される
- GGポーカーやPokerStarsは厳しい規制を導入しているが、未規制サイトでは不正が横行
- ポーカー界ではブラックリスト制度の導入を求める声が高まる
【補足情報】
- ダニエル・ネグラヌのツイート(ポーカー不正行為についての発言)
- ポーカー・インテグリティ・カウンシル(PIC)とは?(GGポーカーの不正対策)
- アリ・イムシロビッチの成績と不正疑惑の歴史(Hendon Mobのデータベース)
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