PAGCOR、9カ月間で42%収益増—大幅成長の理由とは？

フィリピンのPAGCORが2024年最初の9か月で前年比42%の収益増を発表。オンライン賭博禁止の中でどう成長を達成したのか、電子ゲームがどのように業績を牽引したのかを探ります。

電子ゲーム部門が収益を牽引

2024年、フィリピン・アミューズメント・アンド・ゲーミング・コーポレーション（PAGCOR）の収益は大幅に増加しました。9か月間で収益が79.43億フィリピンペソ（約13億6,000万ドル）に達し、前年同期比で42%の増加を記録。収益の約35.5%は電子ゲーム部門から生まれており、これはPAGCOR収益の最大の割合を占めています。この成長には、国内需要の増加と新たなプレイヤー層の参入が貢献しているとされ、電子ゲームがカジノ業界に新たな収益源として注目されています。

オフショア賭博禁止でも揺るがぬ成長

7月に大統領がフィリピン外からのオンライン賭博を禁止する決定を下したにもかかわらず、PAGCORは堅調な成長を見せています。これにより一部の収益源は減少するリスクがありましたが、国内市場における成長が補完。PAGCORの会長アレハンドロ・テンコ氏は「オフショア賭博禁止にも関わらず、我々は年内の100億ペソ収益目標に向けて順調です」と強調し、国内需要の拡大が同社の成長を支えていることを示しました。

国家貢献と社会支援のための寄付増加

収益の増加に伴い、PAGCORは国家建設支援への寄付も拡大しています。2024年9月までに総額48.9億フィリピンペソ（約8億3,900万ドル）を国家財務省とフィリピンの健康保険機関PhilHealthに寄付。特に、ユニバーサル・ヘルスケア法の支援に充てられる金額は前年から40.4%増加しており、社会保障制度の充実に大きく貢献しています。このような活動は、単なる営利目的を超えたPAGCORの社会的役割の一端を担っており、国内での信頼性向上に寄与しています。

• PAGCORの収益が前年比42%増加し、総額79.43億フィリピンペソを達成。
• 電子ゲームが収益の35.5%を占め、収益増加を牽引。
• 国家建設支援の寄付も40.4%増加し、フィリピンの社会保障制度に貢献。

【補足情報】

PAGCOR（フィリピン・アミューズメント・アンド・ゲーミング・コーポレーション）：フィリピン政府のカジノ管理機関。
フィリピン大統領によるオンライン賭博禁止：2024年に国外からのオンライン賭博禁止を決定。
PhilHealth（フィリピン健康保険機関）：ユニバーサル・ヘルスケア法支援のためにPAGCORが寄付を行う対象機関。