2025年もXR(拡張現実)業界の動向は加速中。Metaの2024年決算発表では、XR/メタバース事業の成長が明らかに。一方で、「Ray-Ban Meta」の売上好調や、Android XR搭載ヘッドセットの登場など、今後の市場を左右するニュースが続いている。
Metaの2024年決算発表、XR事業は成長も依然赤字
Metaは1月29日、2024年第4四半期および通年の決算を発表した。広告収益の堅調な伸びにより、売上高・純利益は前年を大幅に上回る好調な結果に。しかし、同社のXR/メタバース事業を担うReality Labs部門は、前年比13%成長と健闘したものの、依然として巨額の赤字を計上している。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、2025年も引き続きAIとの融合を進めつつ、XR分野への投資を継続する姿勢を示した。
また、Metaのスマートグラス「Ray-Ban Meta」は2024年の販売台数が100万台を突破。この結果に対しザッカーバーグ氏は「ウェアラブルデバイスの未来に確信を持っている」と述べており、今後の成長が期待される。
「Android XR」搭載ヘッドセット、海外YouTuberが先行レビュー
Googleが開発する新たなXR向けOS「Android XR」を搭載したヘッドセット「Project Moohan」(コードネーム)が海外で話題となっている。YouTuber Marques Brownlee氏がプロトタイプ機を先行体験し、そのレビュー動画を公開。AIアシスタント機能「Gemini」との連携、Googleフォトやマップ、YouTubeの最適化といった要素が注目されている。
また、GDC(Game Developers Conference)の最新調査では、Meta Questシリーズが最も開発者の注目を集めており、次いでApple Vision Proが関心を集めていることが明らかになった。これにより、VR・MR市場は2025年も活発な競争が続くと予想される。
NVIDIAがCESで語った「物理AI世界」とは?
1月に開催されたCES2025では、NVIDIAのCEOジェンスン・ファン氏が「物理AI世界」という新たな概念について語った。これは、AI技術が物理シミュレーションやロボティクス、自動運転などの分野でよりリアルな体験を可能にするというもの。特に、デジタルツイン技術の進化により、XRとの連携がさらに深まる可能性があると指摘されている。
このように、AIとXRの融合が2025年の技術トレンドの重要な要素となることは間違いない。Meta、Google、Apple、NVIDIAといった大手企業がどのように市場をリードしていくのか、今後の動向に注目が集まる。
- Metaの2024年決算ではXR事業が前年比13%成長も、依然赤字が続く。
- 「Ray-Ban Meta」は100万台突破し、ウェアラブル市場の拡大が期待される。
- 「Android XR」搭載ヘッドセット「Project Moohan」のプロトタイプがYouTuberによりレビュー公開。
- GDC調査によると、ゲーム開発者の関心はMeta Questに集中、Apple Vision Proも注目度上昇中。
- NVIDIAがCESで「物理AI世界」を発表し、XRとの融合が加速する可能性。
【補足情報】
- Meta(旧Facebook)
世界最大のソーシャルメディア企業。メタバース事業に注力し、「Reality Labs」を通じてXR技術の開発を進めている。 - Android XR
Googleが開発したXR向けOSで、AR/MR/VRに対応。「Project Moohan」が最初の対応デバイスとなる。 - Ray-Ban Meta
MetaとRay-Banが共同開発したスマートグラス。カメラ、音声アシスタント機能を搭載し、AR活用が可能。 - GDC(Game Developers Conference)
世界最大級のゲーム開発者向けカンファレンス。毎年開催され、業界動向に関する調査レポートも発表。 - NVIDIAの「物理AI世界」
AIを活用したリアルな物理シミュレーション技術。自動運転、ロボティクス、XR分野での応用が期待される。
Leave a Reply