グラミー賞授賞式での奇抜な登場から始まり、X(旧Twitter)での反ユダヤ発言、ヒトラー称賛、かぎ十字Tシャツ販売まで…カニエ・ウェストの問題行動がついに限界を迎えた。芸能事務所33&Westとの契約は解除され、Xアカウントも削除。さらに、元従業員からのハラスメント訴訟まで巻き起こる事態に。彼のキャリアは、このまま終焉を迎えるのか?
度重なる問題行動、カニエ・ウェストの炎上が止まらない
ラッパーでありファッションデザイナーのカニエ・ウェスト(現・イェ)は、これまでにも数々の物議を醸してきた。しかし、2025年に入ってからの行動は、これまで以上に業界やファンの間で問題視されている。
グラミー賞授賞式では、ほぼ裸の妻ビアンカ・センソリと共に登場し、すでに世間の注目を集めていたが、その後のXでの発言が炎上を決定的なものにした。6日からは反ユダヤ的な投稿や女性蔑視のツイートを連投し、さらにヒトラーを公然と礼賛。これに対し、Xを運営するイーロン・マスクは10日、カニエのアカウントを削除する決定を下した。マスクは「彼の投稿内容はNSFW(職場で見るべきではないほど不適切)であり、これ以上公にされるべきではない」と説明している。
また、9日にはスーパーボウルのローカル放送で奇妙なCMを流し、その内容が「かぎ十字Tシャツのみを販売する自身の通販サイトへの誘導」であったため、さらなる批判を浴びた。カニエのサイトを運営していたShopifyもこれを問題視し、サイト自体を閉鎖する措置を取っている。
芸能事務所が契約解除、業界からの排除が加速
こうした問題行動を受け、10日にはカニエが契約していたロサンゼルスの芸能エージェンシー「33&West」も彼との関係を解消した。エージェントのダニエル・マッカートニー氏はInstagramで「耐えがたいヘイト発言が原因だ」と述べ、これ以上のサポートはできないと明言した。
カニエはこれまでにも、ナイキやアディダスといった大手企業との契約が終了し、ファッション業界から事実上の追放を受けている。さらに、元々のレコード会社ともトラブルを抱えており、新たな契約先を見つけることも困難な状況だった。今回の芸能エージェンシーとの契約解除により、彼のビジネスはさらに厳しいものとなるだろう。
また、11日には新たな問題が発生。カニエの会社の元従業員であるユダヤ人女性が、彼からの差別的発言やハラスメントを受けたとして訴訟を起こした。これにより、カニエの法的リスクも高まっており、問題はさらに拡大している。
カニエ・ウェストの未来は?再起は可能か
カニエ・ウェストは、これまでも奇行が目立つアーティストとして知られていたが、今回の一連の騒動は、彼のキャリアにとって致命的な打撃となる可能性が高い。Xアカウントの削除、芸能事務所との契約解除、そして訴訟と、彼を取り巻く環境は日に日に悪化している。
一方で、カニエ自身はポッドキャスト番組「The Download」に出演し、双極性障害と診断されていたのは誤りであり、新たに自閉症と診断されたと発言。これを根拠に、過去の問題行動を正当化するかのような発言も行っている。しかし、この主張が世間や業界関係者にどこまで受け入れられるかは未知数だ。
すでにカニエの影響力はかつてのものとは異なり、彼の音楽やファッションブランドを支えていたスポンサーや企業の多くが距離を置いている。今後、彼が音楽界に復帰することはできるのか、それともこのまま業界から完全に姿を消すことになるのか、注目が集まる。
- カニエ・ウェストが反ユダヤ発言やヒトラー礼賛で大炎上
- X(旧Twitter)アカウントが削除され、通販サイトも閉鎖
- 芸能事務所「33&West」が契約を解除、業界からの孤立が進む
- 元従業員のユダヤ人女性がハラスメントで訴訟を起こす
- カニエは新たに自閉症と診断されたと主張するも、再起は不透明
【補足情報】
- カニエ・ウェスト(Kanye West)
米国のラッパー、音楽プロデューサー、ファッションデザイナー。近年は問題行動が多発し、多くの企業との契約が終了している。 - X(旧Twitter)
イーロン・マスクが所有するSNSプラットフォーム。カニエの反ユダヤ発言を受けてアカウントを削除。 - 33&West
ロサンゼルスに拠点を置く芸能エージェンシー。カニエの度重なるヘイト発言を理由に契約を解除。
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