イーサリアム(ETH)の価格が過去の底値パターンと類似した動きを見せている。特に8月の急落後の回復と一致する点が多く、今後の強気相場への転換が期待される。OTC市場やETF流入も買い圧力を示唆しており、イーサリアムが再び上昇する可能性が浮上している。
イーサリアムの価格動向—8月の底値と類似の動き
イーサリアム(ETH)はここ数ヶ月で大きく値を下げ、12月中旬から32%の下落を記録し、2,770ドルまで落ち込んだ。しかし、2月5日には一時2,000ドル付近まで急落した後、同日中に2,700ドルまで急回復。これは2021年9月以来最大の1日あたりの価格変動となった。
この急激な値動きは、昨年8月5日に記録されたETHの底値パターンと酷似している。当時も短期間で急落と急騰を繰り返した後、2,200ドル〜2,800ドルのレンジで安定し、その後4,100ドルまで上昇した。今回の値動きも同様の経過をたどるならば、イーサリアムは今後数週間で強気相場に突入する可能性がある。
OTC市場とETFの買い需要が示す強気傾向
市場データによると、イーサリアムの売り圧力は2月5日をピークに減少しており、CoinbaseやBitstampなどの主要取引所では、8月以来の高い取引量が記録された。これにより、一部の投資家は「底値が形成された」と見ており、今後の価格回復を期待している。
また、OTC市場ではイーサリアムの強い買い需要が確認されている。暗号資産マーケットメーカーのWintermuteのOTCトレーダーであるジェイク・オストロフスキ氏は、「週末の市場変動の影響で、一部のファンドが大きな損失を出したとの噂があるが、それにも関わらず、ETHには強い買い需要がある」と述べている。さらに、米国上場のイーサリアム現物ETFは、今週だけで4億2,000万ドルの純流入を記録し、これはETF全体の累計流入額31億8,000万ドルの約13%に相当する。
オプション市場も強気、年末5,000ドルを目指す動きか
デリバティブ市場でも、イーサリアムに対する強気な動きが見られる。暗号資産デリバティブ取引所Deribitでは、大口のコールスプレッド取引が成立。これは、12月26日満期の3,500ドルのコールオプションをロングし、5,000ドルのコールオプションをショートするポジションで、5,000ドルまでの価格上昇を見込んだ戦略と考えられる。
このように、イーサリアムは価格チャート、OTC市場、ETF流入、オプション市場の全てにおいて強気の兆しを見せている。過去のパターンが再現されれば、ETHは今後数ヶ月で大きく値を上げる可能性がある。
- ETH価格が過去の8月の底値パターンと類似した動きを見せており、強気相場への転換が期待される。
- 2月5日に一時2,000ドル付近まで急落後、同日中に2,700ドルまで回復。2021年以来最大の価格変動を記録。
- OTC市場ではETHの買い需要が高まり、マーケットメーカーも強気姿勢を示している。
- 米国上場のETH現物ETFは今週だけで4億2,000万ドルの純流入を記録し、累計流入額の13%に相当。
- オプション市場では年末5,000ドルを目指すポジションが確認され、投資家の期待感が高まっている。
【補足情報】
- イーサリアム(ETH):ビットコインに次ぐ時価総額2位の暗号資産。スマートコントラクト機能を持ち、DeFiやNFTの基盤となっている。
- OTC市場(Over-the-Counter):取引所を介さず、個人投資家や機関投資家間で直接取引が行われる市場。大口取引が多く、価格の動向に影響を与えやすい。
- コールオプション:特定の価格で資産を購入する権利を持つ金融商品。強気市場では多くの投資家がコールオプションを活用する。
- Deribit:世界最大級の暗号資産デリバティブ取引所。ビットコインやイーサリアムのオプション取引が活発に行われている。
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