ビットコイン(BTC)は2024年を締めくくる最後の週でも軟調な値動きを続けています。取引所やETFからの資金流出が影響し、年明けまでの上昇期待は薄いとの見方が広がっています。
年末相場の冷え込みとBTC価格の低迷
2024年12月のビットコイン相場は、利益確定売りにより一時的に92,000ドルを下回る場面がありました。年間で117%もの価格上昇を見せた一方で、12月単月のリターンは-4%と2021年以来の低調さを記録しています。市場心理の冷え込みは、米国シカゴPMI指数が示す経済減速や、ETF市場での大量資金流出に起因するものと考えられます。12月29日には、マイクロストラテジーが209百万ドルで2,138 BTCを追加購入するも、価格への押し上げ効果は限定的でした。
ETF市場の資金流出と投資家心理の変化
データによれば、主要ETF商品からは年末までに420億円相当の資金が流出しました。特にFidelity、Grayscale、BlackRockといった大手が運用するETFから大規模な資金流出が確認されており、これらの動きが市場の不安定性を高める要因となっています。12月後半には1.5兆円を超える純流出が記録され、月初の流入基調から大きく転換しました。投資家の間では慎重姿勢が高まっており、年明けまでこのトレンドが続く可能性が示唆されています。
新年に向けた展望と市場のまとめ
2024年のビットコイン市場は、年間を通じた成長が顕著でしたが、年末の軟調な動きが今後の課題を浮き彫りにしました。シンガポールを拠点とするQCPキャピタルは、ビットコインの短期的な値動きが横ばい基調を維持すると予測しています。一方で、3月に向けたコールオプションの増加や新たな政策による市場の変動が期待されています。年明けの動きに注目しつつ、投資家心理の変化を見極めることが重要となるでしょう。
- ビットコイン価格は年末に92,000ドルを下回る場面があり、12月のリターンは-4%に低迷。
- マイクロストラテジーの大量購入や市場心理の冷え込みが影響。
- ETF市場では420億円以上の資金流出が記録され、投資家心理の慎重化が顕著。
- 2025年初頭に向けた横ばい基調が予測され、3月には回復の兆しが期待される。
【補足情報】
- ビットコイン(BTC)
暗号通貨市場で最も取引される資産。現在、年間117%の価格上昇を記録中。 - マイクロストラテジー
企業向けの分析サービスを提供しながらビットコインを大量保有する企業。公式サイト:MicroStrategy - ETF(上場投資信託)
ビットコインを基盤としたETF商品が投資家の間で広がりを見せている。
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